業務用冷蔵庫が怖かった
20代前半の頃まで、冷蔵庫や冷凍庫といえば家庭用のものしか見たことがありませんでした。私の家の冷蔵庫は小さめだったので、たまに友人や親戚の家に行っては「冷蔵庫大きいなー」と驚いていたくらいです。
でもリゾートホテルでアルバイトを始めて、業務用のとても大きい冷蔵庫を初めて見ました。そのホテルには喫茶店があって、その喫茶店のキッチンに置いてあったのです。「テレビで見るみたいな冷蔵庫だ！」と、妙に感動しました。横は3メートルほど、高さは天井近くまであったと思います。そのお店を夕方閉めるとき、翌日も売ることができるケーキなどを冷蔵庫にしまいます。これが最初は怖くて怖くて…。というのも、よく刑事ドラマなどで業務用の冷蔵庫や冷凍庫に閉じ込められて死にそうになるシーンを見たからです。銀色に光る冷蔵庫の無機質な感じがまた恐怖心を大きくしました。大きな扉を開け、ケーキを持って冷蔵庫に入ります。そして棚の上にケーキを置いて私は出て来ます。それだけの作業なのですが、自分が冷蔵庫に入っている間に扉が閉まってしまったら…と思うと泣きそうになっていました。扉が閉まらないうちにかなり急いで冷蔵庫から出るようにしていました。
でもしばらく経ってから先輩に聞いてみたところ、「大丈夫だよ。この扉は内側からでも開くから！」と言われて安心するやら恥ずかしいやら…。たまに懐かしく思い出します。
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